CHANEL NEWS

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© Patrick Dieudonne / robertharding

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THE UNIQUE SKILLS OF FAIR ISLE

スコットランドの北岸沖、オークニー諸島とシェトランド諸島の間にそびえ立つ、フェア島(面積7.68平方キロメートル)の断崖。英国から最も遠く離れた地のひとつであるこの島では、他に類のない特別なニットウェアを受注生産する、という伝統が受け継がれてきました。

マティ ヴェントリロンが作り出すニットには、かつて島の住民たちがアメリカやヨーロッパを股にかけ、世界中を航海していた時代に遡る歴史の影響が色濃く残っています。当時の島の女性たちは、船乗りたちが航海に出ている留守の間、より独創的な模様を新たに生み出すことに没頭したのでした。

ニット製品はすべて手編みのシェトランド ウール製で、19世紀から20世紀の伝統的なデザインを用いて、テーマが忠実に再現されています。

シャネルのメティエダール コレクションは、このような職人技と伝統的技巧の遺産に敬意を表して、それを後世に伝承していくためのサポートを目的としています。

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© Olivier Saillant - Teatro N°5 - Cinecittà Studios - Rome

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© Olivier Saillant - Teatro N°5 - Cinecittà Studios - Rome

THE SHOW BY REBECCA LOWTHORPE

立ち並ぶバー、レストラン、ベーカリー、食料品店、フラワーショップ、メトロの駅、そして映画館。パリの街角の情景を完璧に再現したセットが、ローマの伝説的な映画撮影所、チネチッタのスタジオにしつらえられ、シャネルの2015/16 メティエダール コレクション「パリ イン ローマ」に映画的な趣を添える舞台となりました。シャネル傘下のアトリエの見事な職人技を讃えるメティエダール コレクションは、様々な都市をテーマに、毎年12月に開催されています。

会場は(当然のことながら)「Teatro No. 5」。フェデリコ フェリーニによる1960年代の名作『甘い生活』が撮影されたスタジオに、カール ラガーフェルドは「パリ イン ローマ」の壮大なセットを細部に渡るまで緻密に作り上げました。どこまでもモノクロームで仕上げられたセットと、積み上げられた古い映写フィルム。そのいぶし銀の光から想起されるのは、イタリア映画の全盛期。当時マドモアゼル シャネルは、ヴィスコンティやアントニオーニといったイタリア映画の巨匠の作品に出演したジャンヌ モロー、モニカ ヴィッティ、アヌーク エーメ、ロミー シュナイダーなど、多くのスター女優の衣装を手がけていました。

ブラック、ベージュ、クリーム、グレー、ネイビーブルーというシャネルのクラシックなカラーパレットが彩る今回のコレクション。そのシルエットをくっきりと浮かび上がらせるために、カール ラガーフェルドは、モノクロームのセットを選択しました。ショーの冒頭、クリストフ シャソールのピアノのライブ演奏が始まると同時に、メトロの駅からモデルたちが登場します。そのルックの輝きは、かつてないほどのものでした。

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目の前に広がる典型的なパリの街角の情景を別にしても、その瞬間、私たちはまさに、フランスでしか誕生し得ないコレクションを目にしていました。すべてがまぎれもなくフランス、そしてシャネルの雰囲気を纏っています。カール ラガーフェルドは次のように強調しました。「これこそ、『パリ イン ローマ』です。それが重要なのです。フランスのメゾンが、フランスで、世界で最も経験と才能を有する最高の職人の手によって生み出したコレクションです」。トップにボリュームをもたせたバルドー風のビーハイブ ヘアから、コスチューム パールをあしらったミュール――カール ラガーフェルドによれば、シャネルでは初めて登場したシェイプのシューズ――に至るまで、あらゆるものがパリらしさを醸し出しています。肩に羽織ったロング ツイード ジャケットの下で、スリムで瀟洒なシルエットを構成しているのは、メタリックな光沢を放つブークレ ドレスやブラック ラッカー仕上げのペンシル スカート、完璧なプリーツ加工を施したリトル ブラック ドレスなど。そしてジャケットとストレート スカートやシガレット パンツを合わせた新しいスリーピース スーツも登場しました。全てのルックの印象を官能的なレースのタイツが高めています。

しかしながら、今回のショーとコレクションに魔法をかけたのは、「パリ イン ローマ」の複雑なプロットを、カール ラガーフェルド自身が解釈し演出した手法にありました。カラーパレットは、次第にローマの有名な金色の光――オークル、オレンジ、カプチーノ、ピンク――を帯びていきます。同時に素材もますます豪華になり、遊び心あふれるディテールが随所に登場します。レザーのペンシル スカートを飾るのは、小さなリボン形のパスタ「ファルファーレ」です。フェザーには、マーブル調のハンドペイントが施されています。ドレスのネックラインから続くのは、教皇が纏うような短いケープ。優美なカシミヤには、ロザリオのネックレスを重ねています。鮮やかなコーラルの花びらを重ねたふわりとしたコクーンドレスは、パリとともにローマがクチュールの中心だった時代を懐かしんでいるかのようです。

今回のコレクションは、何よりもフレンチシックのパラダイムとしてのシャネルを、息を呑むほど素晴らしい技巧で示すものとなりました。たとえメティエダール コレクションのインスピレーションが、世界のどの都市や文化に由来するものであっても、職人たちはものともしません。ショーの終わりに、突如として背景のセットが賑やかに活気づきます。建物のすべてのドアが開かれ、パスタやピザ、ジェラートが振る舞われるその様子は、シャネルの専門アトリエの目まぐるしい日常と、変化をもたらす力を示すのにふさわしいメタファーでした。

INSIDE THE MAISONS D’ART

2015/16メティエダール コレクション「パリ イン ローマ」

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LACE STOCKINGS AND MULES

「このミュールは、シャネルを象徴するアイテムのひとつ、バイカラー シューズのかかと部分をオープンにしたもの。これまでになかったデザインです。レースのストッキングと合わせると、とてもパリらしいスタイルに見えませんか」
カール ラガーフェルド

℗ Tricatel

SOUNDTRACK BY MICHEL GAUBERT

2015/16メティエダール コレクション「パリ イン ローマ」のショーで行われたフランス人ミュージシャンChassol(シャソール)のライブ パフォーマンス

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© Anne Combaz

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© Anne Combaz

THE ART OF EMBROIDERY

繊細なエンブロイダリーは、様々な素材を用いて平面や立体のモチーフを作り上げていく伝統的な技法です。空気のように軽いオーガンザやシフォン、針を通しにくいレザーやツイードなどの布地に、コットンやスパンコール、カボション、フェザー、クリスタル、ペンダントといった多様な素材を縫いつけていきます。

エンブロイダリーによる装飾は、型紙上でくり抜かれたデザインを、チョークと樹脂を練り合わせた特殊素材を使って布地へ描き写すことから始まります。刺繍の素材は、針やかぎ針でひとつずつ縫いつけていきます。平均で約20時間かけてサンプルを完成させ、それを刺繍枠におさめます。

エンブロイダリーの重要な技法のひとつが「リュネヴィル」刺繍で、その名はフランスにある同名の町に由来します。1867年に、ニードルワークを簡素化してスピードアップを図るために考案された技法です。布地の裏側を上にして、かぎ針を使い、極小のビーズやスパンコールなどの装飾素材を通した糸をチェーンステッチで縫いつけます。職人たちは、目に頼らず、自身の経験と研ぎ澄まされた指先の感覚だけで精巧な刺繍を施していきます。

今回、遊び心のある新作エンブロイダリーが発表されました。ビーズを刺繍したレザーの「ファルファーレ」リボンは、メゾン ルサージュが2015/16メティエダール コレクション「パリ イン ローマ」のために特別にデザインしたものです。

チネチッタのスタジオ - ローマ

PARIS IN ROME 2015/16 MÉTIERS D'ART
THE FILM

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Jeanne Moreau © Keystone France
Romy Schneider © Courtesy of Paul Ronald, Archivio Storico del Cinema, AFE
Delphine Seyrig © Keystone France
Anouk Aimée and Federico Fellini © Photo D.R

THE ACTRESSES DRESSED
BY GABRIELLE CHANEL

マドモアゼル シャネルの周辺には常に女優がいました。それは、マドモアゼルが卓越した衣装デザイナーだったからでしょうか。あるいは彼女自身、かつてはステージでのキャリアを夢見ていたからでしょうか。シャネルのハットのモデルとして、初めて公式の舞台に立った女優が、ガブリエル ドルジアでした。

20年後、マドモアゼル シャネルは映画の衣装デザイナーとして、アメリカをはじめとする国々でよく知られた存在になっていました。1931年には、サイレント映画のスター、グロリア スワンソンが、映画『今宵ひととき』でシャネルのロング ドレスに身を包んで登場しました。1955年には、ベッドで身に着けるのはシャネルの5番だけというマリリン モンローの告白が世界を魅了します。

1958年11月、『ELLE』 誌は「映画界の誰もがシャネルを着たがっている」と書きました。実際、シャネルの顧客の多くは女優たちでした。ヌーヴェルヴァーグ映画を中心に、多くの映画監督が主演女優の衣装デザインをシャネルに依頼しました。1958年のルイ マル監督作品『恋人たち』のジャンヌ モローや、1961年の『去年マリエンバートで』のデルフィーヌ セイリグは、シャネルを纏い、ファム ファタール(運命の女性)を演じています。

マドモアゼル シャネルは、アニー ジラルドやブリジット バルドーが映画や実生活で着用した衣装もデザインしています。アヌーク エーメとは友人同士で、ジャンヌ モローとは文学について語り合い、ロミー シュナイダーに対しては助言を与えながら同時に称賛する立場でもあり、あるときは魅力の演じ方を、またあるときには着こなしの術を教えたのでした。

Cinecittà Studios - Rome

KARL LAGERFELD’S INTERVIEW

レベッカ ローソープによるカール ラガーフェルドのインタビュー

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backstage-of-the-show

© Benoit Peverelli

BACKSTAGE OF THE SHOW

2015/16メティエダール コレクション 「パリ イン ローマ」のバックステージ

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