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© Anne Combaz

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© Anne Combaz

Monday, October 8, 2018

THE SPRING-SUMMER 2019 SHOW
AS SEEN BY THE WRITER ANNE BEREST

物体としての洋服が「textile(布地)」であると同時に「textual(文章的)」でもあるなら、それはこの2つの語源が織物を意味するラテン語の「textilis」だからでしょう。布地もストーリーも紡ぐものです。海辺を舞台にしたシャネルのショーで、靴を脱ぎ、裸足で浜辺を歩くというストーリーを織りなすのは、物語をつなぐ糸へと姿を変えたtextileという素材。夏の日の薄紅色の夜明けのようにフレッシュで刺激的な色合いで登場した洋服は、化学的に表現すると、一瞬の断片を捉えイメージとして気まぐれに伝える自動車のトランスミッションのようです。

そして突然、私たちゲストたちは、パンツをまくり波に足がくすぐられるのを感じたときのような、強くはっきりとした感情を思い起こします。自由への壮大な思いが込められた、ほんの小さな感情。そしてこの感情から無数のイメージが呼び覚まされるのです — 真夜中の海水浴から夜明け前に帰宅したこと、蛍光色のストローで飲んだカクテル、水着と触れ合う素肌、マルセル プルーストが思い描いた架空のリゾート、バルベック村の少女たち。あるいはカリフォルニアのバハで出会ったサーファーとの塩辛いキスや、運命の人との約束のため颯爽とドーヴィルへ向かうガブリエル シャネルの姿...

これぞカールです。彼のショーは常に、明確な記憶を再現しいるのです。風景とコレクションの間には、思い出や、夢に見たり想像したりした数々の瞬間が幾重にも重なって滑り込んでいます。しぐさやオブジェ、装飾によって、彼は私たちを過ぎ去ったものの記憶と、これからの人生の予感とのはざまに浮かぶ一瞬へといざなうのです。カール ラガーフェルドは女性を欺くことはありません。嘲ったり、不安にさせたり、揶揄したりすることは絶対にしないのです。反対に、女性たちに寄り添い、自信という武器を与えてくれます。そこにもまた、彼の驚くほどのモダニティが宿っているのです。

— アンヌ ベレスト

#CHANELByTheSea
#CHANELSpringSummer

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