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PARIS-SALZBURG MÉTIERS D'ART SHOW
BY FRANÇOISE-CLAIRE PRODHON

シャネルが2014/15パリ‐ザルツブルク メティエダール コレクションの舞台に選んだのは、ロココ様式が壮麗なレオポルツクロン城。今回のショーはオーストリアの歴史からインスピレーションを得ています。それは、その優美な美しさから「シシィ」の愛称で知られるエリザベートが、オーストリア皇后だった時代。カール ラガーフェルドは、レーダーホーゼンやディアンドルといったこの地方の伝統衣装を、エレガントでありながらスポーティなカラーパレットを取り入れながら、モダンなラグジュアリーに仕上げました。4つのポケットを配したジャケットは、今回のコレクションを象徴するアイテムのひとつ。かつてマドモアゼル シャネルが、オーストリア滞在中にミッターシル ホテルで目にした、エレベーターボーイのジャケットをヒントに生まれたものです。コレクションでは、ボクシー ジャケットに鮮やかなタキシード ストライプのワイド パンツを合わせ、構築的で制服を思い起こさせるスタイルで登場します。

フレア ジャケットやケープ、マキシ レングスのコートの背中には、伝統的なローデン コートに倣ってプリーツが施され、レザーのトリミングやゴールドのエンブロイダリー、羽根飾りやフラワー モチーフなどがオーストリア=ハンガリー帝国の時代を彷彿とさせます。ニットにはアルプスの花々が散りばめられ、オーストリアの伝統ファッションとして知られるレーダーホーゼンは、レザーのショート パンツと合わせられ、さらにハンドバッグのデザインにも取り入れられています。ホワイト、レッド、ネイビー、ブラックなどのシャネルを象徴するカラーを、フォレスト グリーンやカーキ グリーン、グレー、ブラウンなどのアクセント カラーが引き立てる多彩なカラー バリエーション。洗練されていると同時にスポーティでもある今回のコレクションでカール ラガーフェルドが意図したのは、現代性の追求でした。シャネルのアトリエの、その様々な卓越した技巧によって見事に再解釈されたオーストリアン スタイル。細部に至るまで繊細に仕上げられたエンブロイダリーや羽根飾り、プリーツが、コレクションにロマンティックな雰囲気を添えています。ツイードやレザー、カシミヤはローデンやフェルト、さらにサテンやファイユ、タフタ、レースなどの素材と合わせることで、新鮮な印象と若々しい躍動感を生み出しています。

モデルの足もとには、エーデルワイスをあしらったモカシンや、アンクル ストラップのクロッグ、レースアップのサイハイ ブーツ。頭には羽根飾りをつけた帽子や、編んだ髪をまとめたように見えるイヤー マフ型のヘッドフォン。コレクションのジュエリーにはいずれも、ケーブルカーや鳩時計、エーデルワイスのモチーフなど、アルプスを讃えるテーマが取り入れられています。イヴニング スタイルの多くは、ブラックやホワイトのシルエットにフラワー エンブロイダリーがアクセントを添えるもの。ボディスやラフ(ひだ襟)、プリーツが柔らかい印象を醸し出す構造的なドレスに、パテント レザーのブーツを合わせることで、先鋭的なスタイルを完成させています。

フランソワーズ=クレール プロドン

Photo by Benoit Peverelli

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