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Friday, October 7, 2011

KARL LAGERFELD
AT THE SALON DE LA PHOTO IN PARIS

Paris Expoでは、 約8万人が来場する写真展「Salon de la Photo」が開催されており、カール ラガーフェルドのデザイン・企画によるユニークな展示がありました。(10月10日で終了)

カール ラガーフェルドが出展したのは、彼自身の未発表写真に加え、約30点の伝説的なポートレイトです。ポートレイトの写真はヨーロッパ写真美術館のコレクションから選ばれたもので、リチャード アヴェドン、デビッド ベイリー、アンリ カルティエ ブレッソン、ロベール ドアノー、ロバート メイプルソープ、ヘルムート ニュートン、アーサー ペンなど、錚々たる顔ぶれの写真家たちによるものでした。

写真を始めたのは、ご自分の意思によるものですか? それとも何か偶発的な出来事があったのでしょうか?
カール ラガーフェルド:ある日、急遽プレスキット用の写真が必要になり、写真家としてその背中をおされるまで、私は自分が写真家になるとは全く思ってもいませんでした。私の背中を押したのは、友人であり仕事仲間でもあるエリック フルンデールです。1980年代後半のことでした。

ほとんどの作品をモノクロで撮っておられますが、それはなぜですか?
カール ラガーフェルド:モノクロを選択するのは、明らかに私のファッションと密接な関係があります。黒と白は私のスタイルの象徴であり、現代に対するヴィジョンを表すものでもあります。写真もファッションも、完璧でなければなりません。モノクロの表現は非常に難しく、同時に魅惑的でもあります。ポートレイトやシルエットを撮る時は、たとえばピレリのカレンダーを撮影した時もそうでしたが、モノクロにすることで、身体の美しさが完璧なまでに強調されます。さらには光を効果的に使うことにより、被写体の立体感が際立ってくるのです。

静物よりもポートレイトがお好きですか?
カール ラガーフェルド:私は多くのポートレイトを撮ります。モデルを消費するようなことはすべきでないと考えているので、時間をかけてモデルを選びます。魂を与えなければならない存在なのですから。また、風景や静物も撮ります。ちなみに、「静物」をフランス語では奇妙にも「死せる自然(nature morte)」と表現しますが、「静物」の方がいいですね。

撮影やプリント法で特にお好きな手法はありますか?
カール ラガーフェルド:合理的にその都度必要なものを使うだけです。ネガフィルムのゼラチンシルバープリントでも、6x6フォーマットのリバーサルフィルムでも、ポラロイドでも。モノクロのゼラチンシルバープリントの場合、私はいつも、完全なつや消しの乳剤を使い、きわめて深い黒との強いコントラストによって、グラフィカルな質感を高めるようにしています。同じようにグラフィカルでモダンな感じを出すために、つや消しのアルミニウム板に焼き付けたこともあります。その時は、冷たく金属的な効果が出るのと同時に、光と影のコントラストもとても面白いものになりました。レジノタイプや、柔らかい色調の4色画に仕上がるフレッソンプリントにも興味があります。

デジタルはいかがですか?
カール ラガーフェルド:私は新しいものがとても好きです。決して過去を振り返りませんし、懐古主義でもありません。ですから、すでに90年代の後半には、自然とデジタルを試し始め、キャンバスや表面加工されたクリスタルペーパー、コットン100%のアルシュ紙などを用いて、ファインアートたる作品をインクジェットで創り出していました。メディアは常に、私が持つアイディアに相応のものでなければなりません。それが風景でも、ポートレイトでも、ヌードでも同じことです。

あなたとファブリックや鉛筆との結びつきは容易に想像できるのですが、写真の究極的なメディアである紙とは、どのような関係性があるのでしょう?
カール ラガーフェルド:紙はとても気に入っている素材です。絵を描くことも、紙から始まりますし、写真は最終的に紙にたどり着きます。私は、紙がなければ無力なのです。たとえば私の写真は、すべては絵を描くところから始まります。絵を描くのと同じように、私は写真の構図を考えるのです。ただ、光の戯れが新しい次元を加えてくれます。撮影はスタジオ撮影が多いですね。どのカメラを使うかはそれほど重要ではありません。20x25でも、24x36でもデジタルでも、特にこだわりません。アシスタントは常に必要ですが。私の撮影スタジオは、オートクチュールの工房に似ています。全員で作品を作り上げるのですが、一人一人が明確に規定された役割を持ち、専門技術や技能を発揮して、貢献しています。

あなたに影響やインスピレーションを与えるものは何ですか?
カール ラガーフェルド:私はアルフレッド スティーグリッツやエドワード スタイケン、クラレンス ハドソン ホワイト、それに1920年代のドイツの写真家の作品がとても好きです。早くからあらゆる芸術に興味を持ち、世界を広く見る目を養ってきました。ファッションと同じように、写真家としても自分を特定の枠に収めることは想像もできません。絵画や映画、建築、確実に私にインスピレーションを与えてくれます。ご存じか思いますが、「オスカー シュレンマーへのオマージュ(Homage to Oskar Schlemmer)」は、フリッツ ラング監督作品「メトロポリス」とムルナウの映画にインスピレ―ションを得ています。

今、写真と無縁の人生を想像することはできますか?
カール ラガーフェルド:今では写真は私の人生の一部です。写真のない人生は想像ができません。ファッションと世界をカメラを通して見ています。そうすることで、本来の仕事を離れたところから客観的に見ることができます。これは、想像していた以上に必要なことなのです。

写真:カール ラガーフェルド撮影によるエドガー ラミレス

Salon de la Photo
Parc des Expositions, Pavilion 4
1, place de la Porte de Versailles
75015 Paris

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