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Wednesday, July 6, 2011

COCO VENDÔME

カール ラガーフェルド インタビュー

シャネルとヴァンドーム広場には、とても深いつながりがあります。マドモアゼル シャネルはホテル リッツで暮らしていましたし、シャネルのファインジュエリーのブティックもここにオープンしました。このヴァンドーム広場はパリのなかでも特にパリらしい場所。マドモアゼルがこの広場で撮った写真も数多く残っています。リッツの神話は今もリッツとともにあり、ヴァンドーム広場もまたその一部なのです。マドモアゼル シャネルが、晩年をこの場所で過ごし、戦前はリッツの広いスイートルームに暮らしていたように、シャネルはヴァンドーム広場ととても深い関わりをもっていると思います。私は、この場所の建築物がとても好きなこともありますが、今回のセットはむしろGPSにインスピレーションを得ています。発想としては、車に備え付けられたGPSのスクリーンに、ヴァンドーム広場の位置を示すようにネオンが輝くイメージです。

ゲストに見てもらうのはドレスですから、会場に到着した時に、そのセットがどんなに素晴らしかったとしても、席に座り、コレクションが始まればドレスに集中してもらわなければなりませんし、そうであることを願っています。ご承知の通り、今の時代は、どんなにドレスが素晴らしくても、ドアがあって、そこからモデルが出てくるだけでは、誰も見向きもしません。ショーはインターネットで世界中に配信されます、それも数カ月に渡って。シャネルのようなブランドにとって、これは至極当然のことです。一夜限りのことにこれほどの資金を投じるのは、私自身はとてもシックなことだと思いますが、普通のことではありません。世界中の人々に見ていただくのですから。

今回のセットには満足しています。素晴らしい仕上がりだと思います。今回のショーでは、真夜中のステージを造る必要がありました。昼間では意味がないのです。今は存在するかどうかもわからない、夜のパリでなければ。

男性的なたくましさとは違う、少年のシルエットのような、とても両性的なイメージ。私は女性の二面性に大きな魅力を感じています。マドモアゼル自身もそういう人でした。とてもロマンティックなドレスを作る一方で、オーストリアの紳士服や英国のジャケットにヒントを得たスタイルを取り入れ、また、2つボタンのスーツのデザインからシャネルのジャケットを生み出しました。このジャケットは何にでも合わせることができます。時代を超えたファッションアイテムとして定着しているからです。シルエットは常に新しくしなければなりませんが、このアイテムの位置づけは、Tシャツやジーンズと同じです。つまり、ロマンティックなドレスと違って性別を選びませんから、アンドロジナスなスタイルに欠かせないアイテムなのです。

私の課題は、マドモアゼル シャネル自身のデザインではないものを、「これこそシャネル」と納得させること。マドモアゼルがこの世を去ってから長い年月が経ち、私自身、シャネルとの関わりが長くなっていくなかで、このブランド、このイメージ、このスタイルでさまざまな遊びを仕掛けてきました。これほどの力をもつブランドは決して多くありません。

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