hautecouture-hauteculture-by-elisabeth-quin

Thursday, February 3, 2011

HAUTE COUTURE, HAUTE CULTURE…
BY ELISABETH QUIN

オートクチュール―それは夢、ゴールド、そして努力と卓越した技巧が織りなす芸術です。ラグジュアリーを生み出す職人たちを称える賛歌として、また驚くべき熱意の集大成として、素晴らしく壮大な物語として、そして光輝くアトランティスとして、年に2回煌びやかに開催されるオートクチュール コレクション。機械による大量生産が当たり前になったこの時代に、数百、時には数千もの時間をかけ愛情ある手作業により創り出されていくという聖域が、いまだに存在することを私たちに再認識させてくれます。
「オートクチュール」 という言葉自体は法的に規制されているかもしれませんが、そこから生み出される詩的なインスピレーションには、いかなる制限も課されてはいません。
今日のフランスでは、オートクチュールを通じて職人たちの唯一無二の技術が次の世代に受け継がれています。シャネルは、こうした知識が確実に伝承され、その技術が後世に引き継がれていくように、刺繍のルサージュや羽根細工のルマリエといった貴重なアトリエを自らの傘下に置いています。
オートクチュールはフランスの国家財産ですが、ナポレオン3世の時代にオートクチュールを発案したのは、実は英国人のシャルル ウォルトでした。フランス革命から1世紀もたたない時代に、フランスはラグジュアリーこそが自国の素晴らしさを伝える唯一のアンバサダーになることを、短時間で理解したのです。
ウォルト以降も、キャロ、パトゥ、ポワレ、ヴィオネ、ランバンといったクチュリエやクチュリエールにより、女性たちが美しくまとう数々のドレスが生み出されましたが、それらは必ずしも、女性の体形を考慮したものではありませんでした。
そうした中で、ココの愛称で知られるガブリエル シャネルが手をポケットに入れ、口にタバコをくわえたスタイルでファッション界に登場します。彼女自身は無頓着な雰囲気を湛えながら、永遠の輝きと至高のエレガンスを、ジャージーのスーツやドレスで素晴らしく優雅に表現しました。そしてそれは女性にとって真の意味での解放を意味しました。自然な成り行きのようで、実現には必ず誰かの発案が必要とされるもの。女性の望みや憧れを、彼女たち自身が気が付く前に理解する自信と才能を、誰かが備えている必要があったのです。マドモアゼル シャネルは革命家だったのか、それとも予言者だったのか。その両方と言えるのではないでしょうか。

シャネルの2011春夏 オートクチュール コレクションは、1920年代と21世紀をつなぐ眩い架け橋を作り出しました。
ローウエストに細身のバスト。優美な足元には透明なリボンのついたバレリーナシューズ。淡いソフトカラーや光沢のあるパールカラー、連なるスパンコールの煌めきが彩りを添えます。刺繍を施したシャツは、脚をどこまでも長く見せるスリムジーンズに合わせています。重厚感やブルジョア的要素を排除した、かつてないほど軽やかで若々しいルック。全体に漂う完璧な気品と贅沢な素材、そこに巧妙に施された控えめな装飾が今回のコレクションの特徴であり、マドモアゼル シャネルにより刻まれたスタイルを見事に再現しています。

撮影: ブノワ ペヴェレリ

シェア

リンクがコピーされました